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前からずっと気になっていた『カラスの教科書』という本をようやく読むことができました。きっかけについてはこちら↓↓↓
まず本の中にしょっちゅう出てくるこのカラスくんのイラストが、メチャメチャいやされてかわいいです・・。↓↓↓
著者は松原始さんという動物行動学を研究している方で、ご本人いわく、大学の卒業研究から博士課程までカラス一本のカラス馬鹿だそうです。
自由な筆致で、人を食ったような文章。読んでいて思わずこっちも一人で笑ってしまう(笑)。
カラスを観察する松原さんの描写もとってもユニークで、思わずニヤッとしたり、クスッとしたり。なんだか、おかたいイメージのある研究者とはずいぶんかけ離れた印象です。
そういえば、前に「こどもの本総選挙」で堂々1位になった『ざんねんないきもの事典』の著者、今泉忠明さんもずいぶんひょうひょうとしておもしろい方でした。↓↓↓
今泉さんも松原さんも、専門的な内容をわかりやすくおもしろく紹介して、一般人(?)の興味の幅を広げてくれた意味はすごく大きいと思います。
そしておふたりに共通していえるキャラの濃さ(?)ゆえか‥研究者ってなんだか独特な視点を持ってるんだなあ、と。
さてそんな中、今日は身近な問題として、カラスからの攻撃についての松原さんの考察を紹介します。
カラスが人間を攻撃するワケ
みなさんはカラスに攻撃されたことはありますか?私の友人は、カラスでかなり怖い経験をしたそうです。
松原さんによると、じつは「何もしていないのに急に」襲ってくる、という例はめったになく、その攻撃によってケガをするということもほとんどないのだとか。むしろその攻撃によって、あわてて転んでケガをするというパターンの方が多いそうです。
じつはカラスにとって、人間はとても大きくて怖い存在なので、人間に敵対的な態度をとる場合、理由はただ一つ。
ヒナを守るため。
カラスは巣やヒナを見る、周りからの視線にとても敏感で、巣をジロジロ見るもの=「巣をねらってる敵」とみなします。しかもその相手が、巣立ちの時期を迎えているヒナの近くにいるとなれば、「わが子に危険が迫っている!」と認識するそうです。
なので、人間側がヒナの近くにいるという認識がなくても、たまたま巣のそばで写真を撮ったり、メールチェックなどで立ち止まったりすると、ヒナの安全に神経質になっている親ガラスが怒って攻撃してくるのです。
カラスの威嚇・攻撃手順
さて、カラスから知らず知らずのうちに攻撃されるまではいくつか段階があります。
1.まずは声で威嚇
「カア、カア」が普通だとすると、「カアカアカアカア!」と激しくなる。繰り返しの早い、連続した鳴き方で、一声ずつも大きい。
これは人に対してではなく、その辺のカラスに対して鳴いていることも多いですが、明らかに自分に向けて鳴いているとか、あとをついてきたり、低いところまでくる場合は、「そこのお前だよ、お前!」とカラスに目をつけられている状況だそうです・・(;´∀`)
ちなみに、しゃがれた声で「ガララララ・・」と言い出したら、かなり怒っているらしいです!
2.鳴いてみて効果がなければ、とまった枝をくちばしで叩きはじめる
人間でいえば、イライラして貧乏ゆすりしたり、机を指で叩く感じ。
3.さらに人間が気づかない場合、頭をかすめるように飛ぶ
基本的にカラスは怖がりなので、正面から向かってくることはなく、必ず後ろから攻撃!
人間が気づくのは、大体このあたりから(;´∀`)、そして・・人間側からすると「いきなり攻撃された!」という感覚。
体重を乗せてガツンと蹴るというよりは、むしろ頭の上を踏み台にポンと蹴飛ばすか、足指を丸めて拳を当ててゆくようです。
まちがっても、くちばしでつついたり、突き刺したりということはありません。基本的には、カラスも人間を恐れているし、自分も命がけなので・・!
カラスの攻撃を避けるには
通常私たちはカラスの巣がどこにあるなんて分からないので、それを把握しておくというのは難しいですよね。なので、知らずにカラスの巣に近づいてしまうことは十分あることだと思います。
私たちができることといえば、まずはカラスの声をよく聞き、マズイ!と思ったらサッと後ろを向いてけん制し(攻撃は常に後ろからなので)、さっさと逃げる‥のがいいようです。
子育て中のカラスたちには縄張りがあるし、ヒナをおいて遠くまではいかないので、どこまでも追ってくることはありません。数十メートルも離れれば大丈夫だそうですよ。
ついでにハシブトガラスとハシボソガラスのちがい
『からすの教科書』によると、日本で一般的なのはハシブトガラスとハシボソガラス。名前は知ってるけど、あんまり注意してみたことはないなあ・・。というわけで、簡単にそのちがいを書いてみます。
ハシブトガラス
くちばしが太くて大きい。ハシボソガラスより大きく、いわゆる普通のカラスの声で「カアカア」鳴く。
森林か市街地に住み、農耕地にはあまり見られません。東京都心にいるのは、基本的にハシブトガラスです。
地面が嫌いであまり降りてこず、地上で歩き回ってエサを探すことはあまりないのだとか。「飛び回っておいしいエサを見つけると降りてくる」タイプ。
ハシボソガラス
くちばしが細くて顔全体がシュッとしています。ハシブトガラスよりも小柄で、田んぼや畑や河川敷が大好きですが、都市部にも在住。
鳴き声は「カアカア」ではなく、「ガー、ゴアー」としゃがれ声で鳴くのだそうです。
地面に降りて、てくてく歩き回ってエサを探したりします。葉っぱや石の下をこまめに探すこともできて「とりあえず地面を歩いていれば何かエサがみつかる」というタイプ。
私は今まではぜんぜん気にしたことはなかったけど、おもしろそうだから今度道ばたでカラスを見かけたら、ちょっと観察してみようかなあ。
☆おまけ☆
本の最後に、カラスに関するQ&Aがあるんですが、それがなんだか、『生協の白石さん』を思わせるやりとりでおもしろい♪
ぜひ、興味がある方は読んでみてくださいね♡
最後まで読んでいただき、ありがとうございます。
よかったら他の記事ものぞいてみてくださいね〜♪