わたしいろ人生 〜元バックパッカーのパート主婦Miiの日記

40代パートの私。子どもがいても我が道いくよ。楽しいことだいすき♪主に旅、本、料理について書いてます。

自然の中に放り出された子どもたちが得るもの

こんにちは。

 

バックパッカー主婦のMiiです。

 

Miiは本が大好きなのですが

今読んでいる

 

ユーコン川を筏で下る』

 

という本のなかで、とても興味深い

エピソードが紹介されていました。

 

前にもブログで書いたのですが

著者の野田知佑(のだともすけ)さんは

日本のカヌーイストの

先駆者ともいえる人です。

 

 

cmiyumiyu.hateblo.jp

 

 

世界中の川をカヌーで旅し

その旅で出会った人や出来事や

感じたことを、たくさんの

本に書いているのですが

私は野田さんの本は

味わいがあって好きなのです。

 

野田さんは中でも

カナダと、アメリカのアラスカ州

またがる、ユーコン川

何度も足を運んでいて

思い入れも強いようです。

 

そんな中、この本で

次のようなエピソードを

紹介していました。

 

数年前にユーコンに行った時に再会した

バンクーバーから来た男の話。

 

その初老の男は、元建築士

リタイアした後、毎年ユーコン

来ているのだそうです。

 

ある時、彼は、野田さんと

焚火を囲みながら

自分の息子がユーコン川

おかげで救われた話を

しました。

 

 

息子は15才になったとき

不登校になってしまい、自分の

居場所をなくしてしまったのです。

 

父であるその男は

どうすればよいのか

途方に暮れてしまいます。

 

そして、ひとつの決断をするのです。

 

男は仕事を半年間休み

息子を連れてユーコン川

源流に向かいます。

 

そして、3か月かけて

ユーコン川を下ったのです。

 

もともと

アウトドアが好きだった

その男は、息子を自然の中に

連れて行けば、必ず

いい結果が生まれると

信じていたのだそうです。

 

息子もはじめは乗り気ではなく

いやいやながら父親と

旅を始めたのですが

2週間もすると川の生活にも

慣れてきました。

 

毎日魚が食料ですから

魚釣りは欠かせません。

 

上流では魚がよく釣れ

彼は魚釣りが好きになりました。

 

ただ、もちろん単調な生活。

 

夜は焚火の前で本を読み

夜が更けるとだまって

テントで寝る。

 

しかし、1か月も経つと

息子の表情が変わってきます。

 

3か月後にベーリング海

出るころには、30冊もの

名作を読み終え

元気になって

父親にも胸の内をいろいろと

話すようになったのだそうです。

 

それに似たようなことは

実際に野田さんも

経験しているようで

 

”自然の持つ治癒力というものは

実際に体験しないとわからない。

 

あっという間に子供が変わるのだ”

 

と書いていました。

 

 

これを読んでいて

思い出した話があります。

 

やはり私の好きな星野道夫さんという

人の本です。

 

星野さんは、アラスカに住みながら

様々な動物の写真を撮ったり

エッセイを書いたりする人でした。

 

悲しいことに、若くして事故で

亡くなってしまったのですが

星野さんの文章は私の胸に

とても響く内容で

一時期何冊も読んでいました。

 

 

その中の

 

旅をする木

 

という本の中で

 「ルース氷河」という話があります。

 

 

星野さんが、学生時代の仲間とともに

小学生から高校生までの11人の

子どもを連れて、小さなセスナ機に乗り

アラスカ山脈のルース氷河という場所に

1週間滞在する話です。

 

ここには無人の小さな岩小屋が

あるのですが、子どもたちは

現代社会からは一切隔絶され

すさまじい絶壁や氷壁に囲まれた

このルース氷河にポンと

放り出されるのです。

 

ここに来た子どもたちは

反抗期真っただ中の女子高生や

ガキ大将の小学生、

進学校に通う中学生と

育った環境も性格も

様々な子たちです。

 

でも、この厳しい環境では

そんなものは一切関係なく

まず、雪を溶かして水を

つくるところから

始めなければならない。

 

そしてその貴重な水を

上手に使ってゆかなければ

いけないのです。

 

何もかもが守られている

都会の生活から

子どもたちは少しずつ

自然へと帰っていきます。

 

”何もないこの世界では、食べて、

寝て、出来る限り暖かく

自分の命を保ってゆくことが

一番大切なのだ”

 

 

そして、明日はセスナが迎えに来て

山を下りなければいけない

という日の夜、子どもたちは

いくつもの流れ星が落ちていく中

大きなオーロラを見るのです。

 

子どもたちが、帰国後

このルース氷河での1週間を

どのように受け止め、その後

どう変わったのかは

わかりません。

 

でも、星野さんはいいます。

 

”子どもの頃に見た風景が

ずっと心の中に残ることがある。

 

いつか大人になり

様々な人生の岐路に立った時

人の言葉ではなく

いつか見た風景に励まされたり

勇気を与えられたりすることが

きっとあるような気がする。”

 

野田さんのエピソードも

星野さんの話も、根っこの部分は

つながっているんじゃないかと

私は思うのです。

 

ふだん、私が子どもたちに

経験させてあげられる自然は

せいぜい山登りや

キャンプくらいのものです。

 

それでも、そんな中、子どもたちは

下界では決して目にすることが

できないような朝焼けをみたり、

パチパチと火の粉が舞うなか

黙って焚火に薪をくべたりする。

 

そんな子どもたちを見るとき

はたしてこの記憶は

これから大人になる彼らに

どんな影響を与えるんだろうかと

私も思うことがあるのです。

 

まさに、星野さんがいうように

この体験が、今すぐにこの子たちに

なにかを残さなくてもいい。

 

ただ、これから成長していくなかで

断片的にでも

その美しい景色や、山の風の冷たさ

火をくべた時の薪のにおいなどを

ふと思い出す時が来てくれればいいと

思っているのです。

 

 

 

最後までよんでいただき

ありがとうございます。

 

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