20年以上前の話ですが、ニュージーランド(以下NZ)に住んでいたことがあります。
1年間滞在できるワーキングホリデー(以下ワーホリ)ビザで渡航。これは英語学校に通ってもいいし、仕事をしてもいい。もちろんずっと旅行しててもOK!というような、わりと融通の利くビザなのです。
私は最初の2カ月は、ホームステイしながら英語学校に通いました。ワーホリ中の過ごし方はもちろん人それぞれ。でも私みたいに、NZに行ったらまず最初に英語学校に通う、という日本人が多かったように思います。
さて1年間いるとなると、その間の滞在費を確保するのはなかなか切実な問題です。私は途中で日本に帰る気はさらさらなかったので、もちろん仕事を探しました。
日本食レストランで働く、なんて方法もあったんでしょうけど、私はまったく興味がなく。「なんでNZに来てまで、日本でもできるようなことしなきゃいけないの?」っていう、まあ今思えばけっこう日本人に嫌われるタイプの日本人でした(笑)。
「海外だからこそできる体験をしたい」と思っていたので、住み込みのベビーシッターとか、住み込みの牧場の手伝いなどをして、滞在費をちょっとでも浮かしながら、あちこちを旅がてら転々としました。
そんな中、印象に残っているのが「フルーツピッキング」の仕事。果物の収穫をする仕事です。いわゆる季節労働ですかね。
私は3か所の果樹園で、りんごやアプリコット、ネクタリンといったもぎたて新鮮フルーツを、それはもう思う存分食べました!(もちろんほんとはダメよ。)
果樹園によって働き方はちがっていて、中には近くのバックパッカーズ(いわゆる安宿)に滞在しながら、フルーツ収穫の仕事があるときだけ果樹園に出向く、というところもありました。
そんな中一番楽しかったのは、果樹園の中の一軒家に住みながらフルーツピッキングをした時のこと。この一軒家は果樹園のオーナーさんが用意してくれたもので、日本、イギリス、マレーシアといったいろんな国籍の5人(みんな女性)が、ここで共同生活をしながら仕事をしたんです。
日中は果樹園でただひたすらりんごをもぎました。とてもいいオーナーさんで、時間になると「休憩だよ~!」と声をかけてくれます。するとみんながわらわらとそれぞれの持ち場から集まってきて、ご主人が用意してくれた紅茶(だってここはNZですからね!)とおやつをいただくのです。一休みしたらまた仕事に戻るといった具合。
一緒に住んでいたメンバーも、国は違えどみんな明るくて穏やか。バックパッカーズなどの安宿だと基本相部屋なんですが、ここではちゃんと一人ずつ部屋があって、もちろん宿代もかからないのがさらによかった!リビングには暖炉があり、そこでみんなが思い思いの時間を過ごすのは至福のひと時でした。
あるとき裏口の扉を開けたら、そこでばったり野生のハリネズミに出くわした、なんていう楽しいハプニングもありました。
一日体を使う仕事なので、もちろん終わればくたくたでしたけど、ここでのフルーツピッキングの仕事は、20数年たっても忘れられない思い出のひとつです。
せっかくのNZだもの!日本じゃなかなかできないような体験をいっぱいしてきてよかったな~!と今でも心から思います。そしてこんないろんなかけがえのない体験が、今の自分をつくってくれたと思っています。
「人生何事も経験」
これはいつも私の心にある言葉。
それはきっと、NZとその後に体験したヨーロッパ放浪旅の中で、いつの間にか私の中に植えつけられた言葉なのかもしれません。
読んでいただきありがとうございます。
以前、NZでのこんな記事も書きました。なかなかスリリングな体験だったので、興味のある方はどうぞ♪
そしてこんなドキドキ体験も、今となっては忘れられない思い出です。