自由旅クリエイター/ライター にじねこMiiのブログ

なりゆきまかせの自由旅が好きなライター。元バックパッカーで今は2児の母。人生を今よりちょっとだけ楽しくしてくれるモノが好き。Web媒体で旅や地域の魅力を発信したり、取材記事を書いてます。お仕事も随時募集中♪

「病気や障がいを持つ人と一緒に仕事をする人」へのサポートが絶対に必要だと思うワケ

精神障がいを持つ人が同じ職場にいる、というAさんの投稿が目にとまりました。

そこには、毎日一緒に仕事をするAさんの複雑な心境が綴られていました。障がいを持つその人は突発的な言動や行動も多く、周りの人たちもなかなか大変なようです。Aさんもできるだけ親切にがまん強く接しよう…と思う一方で、正解がわからず、手探り状態。そしてそんな心情を投稿している自分自身に対しても、罪悪感を抱いているようでした。

私にも似たような経験があったし、かなりしんどいだろうなと感じ、思いきってこの記事を書くことにしました。

この記事を読んで不快に感じる方もいるかもしれませんが、ひとつの現実として読んでいただければと思います。

       ※  ※  ※  ※  ※

私が以前一緒に仕事をした社員の女性は、大病を患っていました。

感情の起伏が激しく、こちらが言うこと為すこと全てに対して嫌味や攻撃で返してくる。もちろん、病気からくる不安やストレス、体調不良など、かなり本人もつらい状況だったとは思うんですが、女性は2人だけだったし、矛先はすべて私。事務職でデスクも向かい合わせだったので逃れようもありません。

こちらは病気のことで気を遣ううえ、その人ができることは限られるので、自分の負担も大きく、とにかくいっぱいいっぱいでした。

元々の性格もキツかったらしいのですが、仕事を教わる立場でもあったし、病気を抱えてる人のことを悪く言うのもいやだったので、自分がガマンするしかないと思っていました。

上司は状況を知りつつ、見てみぬふり。フォローやサポートもなし。どこにも捌け口がない状態でかなりしんどかったです。

       ※  ※  ※  ※  ※

そんな状況が続いていくと、その人への態度も自分でどんどんそっけなく、冷たくなっていくのが分かるんですよね。

途中からは、もう私から一切話しかけなくなったし、必要最低限の会話しかしないようにしました。そうしないと自分が壊れると思って。

でもかたや「闘病中の人に優しくなれない自分は、なんて冷たい人間なんだろう。」と自己嫌悪に陥ったりもして、とても苦しかったです。唯一の救いは、私が週2、3日出勤のパートだったこと。もし毎日顔を合わせていたら、間違いなく仕事を辞めていたでしょう。

今思えば、上司にはっきりと自分のしんどさを伝えるべきだったなと思います。でもその時は、そんなことを言うのはひどい人間のような気がして言えませんでした。

そしてその時の私と同じように、もやもやと複雑な思いとストレスを抱えながら仕事をしている人は少なくないと思うんです。

       ※  ※  ※  ※  ※

会社はそんな人たちの気持ちを掬いあげて、負担を軽減するシステムや窓口をつくるべきです。

医学もどんどん進歩してるし、病気と付き合いながら仕事をするのはこれからさらに当たり前になるでしょう。

それにオリンピック、パラリンピックでこれだけ「多様性」という言葉が使われるなか、障がいのある人たちの雇用ももっと多くなっていくと思うんですよね。

もちろんそういう社会になることは必要だと思います。どんな人も、社会の中で自分の居場所があるというのは大事なこと。生活もしなければならないですし、仕事が自分の気持ちの支えになることもあるでしょう。

それに本来ならば、いろんな状況にある人たちが一緒に仕事をすることで、お互いに今まで気づかなかった価値観やものの見方を学ぶ機会にもなると思うのです。

       ※  ※  ※  ※  ※

企業は、障がいのある方や闘病しながら働く方の雇用を確保・維持するという部分にばかり焦点を当てがちな気がします。だけどほんとに大切なのは、雇用すること自体ではなく、その中身のはず。

人間誰しも感情があります。嬉しいとか楽しいだけじゃなく、頭にきたりイライラしたりもします。病気や障がいを持つ人と一緒に仕事をするというのは、きれいごとだけじゃなく、複雑でシビアな心情も絡んでくるのです。

それを会社として何のサポートもせずに、一緒に仕事をする人の優しさや親切心、忍耐力だけに頼って現場に丸投げっていうのは、ちょっと違うんじゃないかなと。

長い目で見れば、いつでも誰でも病気や障がいを抱える立場になるかもしれないし、結局は巡り巡ってお互いさま。だからこそ、誰にとっても働きやすい職場環境を整えることは、会社の責務なんじゃないでしょうか?