自由旅クリエイター/ライター にじねこMiiのブログ

なりゆきまかせの自由旅が好きなライター。元バックパッカーで今は2児の母。人生を今よりちょっとだけ楽しくしてくれるモノが好き。Web媒体で旅や地域の魅力を発信したり、取材記事を書いてます。お仕事も随時募集中♪

セルシオ事件

今日はセルシオ事件について語ろう。

私が若かりし日にやらかしてしまった、とある事件である。

当時わたしは、企業向けのお弁当を作って配達する会社で働いていた。大学卒業後に就職したのがここだったのだ。働き始めて丸3年。これを一区切りに会社を辞め、ワーキングホリデーでニュージーランドに行こうと決めた時期である。

セルシオ事件は海外渡航の準備をしながら、残り少ない会社での日々を過ごしていたさなかに起きた。

ある日、会社にお願いして、パスポートの申請場所まで連れていってもらうことになった。この会社では、市内に散らばる取引先にお弁当を届けるため、いくつものコースを組んでいて、何人もの人が手分けして配達していた。

直接パスポートセンターまで行くことはできないため、まず初めにAさんのクルマで中継地点まで行き、そこからBさんのクルマに乗せてもらって目的地へと行くことになった。

さて中継地点で待っていると、そこにBさんが現れた。Bさんはまだ配達途中で、弁当を両手に抱えながら「そこにクルマ停まってるから、乗って待ってて〜。」とわたしに言い残して去っていった。

Bさんが教えてくれたあたりには、やけに立派なクルマが1台停まっている。セルシオだった。

「こんなすごいクルマ、ウチの会社にあったかな?」と思いましたよ、もちろん。

でも察しのいい方はもうお分かりですね。そう。かすかな疑問を抱きつつも、皆さんのご期待どおり、私はそのセルシオに乗りこんでしまったのだ。これまた都合のいいことに、ドアのカギが開いてたんですね〜。

座り心地のいい助手席で、車内の立派な設備のあれこれを眺めながら待っていると、運転席がガチャっと開いた。

一瞬見つめ合う、見知らぬ者同士。なんだか気まずい…。

そしてその男の人は戸惑った様子でこうわたしに言ったのだった。

「あのぉ…、これ私のクルマなんですけど…。」

ですよねーーーー汗汗汗!

「ごめんなさーーい、間違えましたー!!」と言いながら、あわてて飛び出る私。その後のことはもうまったく覚えていない。

これがセルシオ事件のあらましである。

今書いていても冷や汗が出る。

そんなわたしも、今では2児の母である。