『ユーコン川を筏で下る』
野田知佑(のだともすけ)さんという方の本です。
野田さんは日本を代表するカヌーイストで、世界中の川をカヌーで旅し、それをたくさんの本につづっているのですが、この本はカナダとアメリカのアラスカ州をまたいで流れているユーコン川をいかだで下るという壮大なノンフィクション。
また、この本でもそうですが、野田さんは相棒の犬を「カヌー犬」として育てて(?)一緒に旅をする、という独特のスタイルでも知られています。
私はむかしから「冒険」とか「探検」とか「世界の果て」といった、男のロマンをかきたてるようなフレーズに弱くて(私は男性ではありませんが(笑))ついつい目が行ってしまう習性があります。
なので野田さんや椎名誠さんといった、破天荒で痛快な旅をする人の本は一時期けっこう読んでいました。
私自身は冒険的な旅はしたことはありませんが、よくよく考えてみればなかなかの僻地好きです。ワーキングホリデーの時は、人の住む島としてはニュージーランドの最南端にあるスチュワート島で年を越しましたし、イギリスを放浪中は、地図でみた「Land's End(地の果て)」という地名だけでそこを訪ねて行ったこともありました。 (ホントに地の果てでした。)
20年前ですから、まだインターネットが日本に普及する前です。
もちろんスマホもなく、こちらから手紙を書くか国際電話をかけないかぎりは、家族ともまったく連絡がとれない時代でした。
今、世界中で、自分がこの場所にいることを知っている人は自分以外にだれもいないのだ!という爽快感。まったくの自由なのだ、と心の底から思いました。
今はインターネットで驚くほどなんでもすぐに世界中とつながることができます。そのおかげで宿や飛行機などの予約も簡単にとることができますし、海外の友だちとWhatsApp(欧米でメジャーなLINEのようなアプリ)でおしゃべりもできます。
少し前までは、こんなに世界が小さく感じるようになるなんて想像もできませんでした。でもその便利さの一方で、常に何かに追われ、管理されているようにも感じるのです。
時代が戻ってほしいとは思いませんが、不便だったからこその自由もあったなあ・・と少し懐かしく思う今日この頃です。
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