私は何かを始めるのに年齢は関係ないと思っています。「やりたい」と思った時が 「そのとき」であって、一番のタイミング。そもそも何かを始める時にやりたいという気持ちがなければ続きません。
自分が何かをやりたいと思ったとき、そう思うだけで終わるのか、それとも、さらに一歩前に足を進めるのか。
私の場合は自分の本能に聞くことにしています。
もし、自分が実際に行動に移そうとしていれば、「ああ、私はホントにこれをやりたいんだな、今がその時なんだな」と思うし、もし実行に移さない自分がいれば、「そこまでやりたいことじゃないんだ、今はその時じゃないんだ」 と思う。まるで自分自身を、もう一人の自分が客観的に眺めている感じ。
でもそんな私が、若いときにこそやるべきだと思っていることがあります。
それは 「ひとり旅」です。それもバックパックを背負った自由な旅。旅は自分を解き放ち、新しい世界を垣間見せてくれます。
世間に旅好きな人は多い。若者から年配の人まで幅広いし、旅のスタイルも様々です。でもバックパッカーひとり旅となると、行く人はぐっと限られる。
私が思うに、こういう旅のスタイルを好む人というのは、基本的にそういう“血” を持っているんだと思う。そしてそんな人は、自分がホントに「行きたい」と思ったら、躊躇せずに、あっという間に準備を整えて旅立って行く。逆にたとえ行ける環境にあったとしても、行かない人は絶対に行かないでしょう。
そしてこういったハードな旅は、行ける年齢もある程度限られてくるのが現実です。思うに、こういうひとり旅には絶対的に必要なものが3つあって、そのすべての条件を満たせるのはほぼ若いうちだけだと思うのです。
ひとつは体力。
ふたつめは好奇心。
そして最後は時間。
一歩日本の外に出れば、世界中からきたたくさんの旅人と出会うことができる。 そして、世界にはさまざまな言葉や生活や価値観があることを肌で感じるはずです。
ひとり旅を続ける中で、時には少し無謀なこともしてしまうかもしれない。駅で一晩過ごすとか、列車に20時間も乗りっぱなしとか、あるいはヒッチハイクするとか..そんなことは珍しくない。(でも気をつけてほしい。無謀と危険は隣り合わせだから。自分を守るのは自分しかいない。)そして、こういう旅を40代でやろうというのはちょっとつらい。
技術の発達した今の世界では、地球上のあらゆる場所の情報を写真や動画で知ることができます。でも、どんなに情報が発達していてもそこでしか知ることのできないものがあると思うのです。
それは、その場所の匂いと、空気感。
たとえばどこかアジアの空港に降り立った時に自分を包み込む、スパイスの香り。ふと迷い込んだ市場で目にする、みたこともない食材や人々の熱気とざわめき。
旅は五感で感じるものだと思う。そして、こういう体験はやはり若いうちがいいのです。感性が十分豊かで、社会の荒波に良くも悪くもまださほどさらされておらず、勢いがあって、体力と好奇心と時間が十分あるうちに。若いからこそみえる景色ってあると思うのです。
経験にまさるものはありません。何を感じるかはその人次第。時に無謀と思えることが、その人の人生に輝きを与えてくれることもある。同じ旅人が同じところを旅しても、その年齢や旅のかたちでみえる風景はまったく違ってくるでしょう。
旅は不思議。旅はおもしろい。だから私は旅はやめられない。
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