記事ひとつひとつに「産みの苦しみ」がある
私はふだん別の仕事の傍ら、ふたつのWEBメディアの記事を書いている。
ひとつは「トリップノート」という旅行WEBサイト。そしてもうひとつは、私が住んでいる地域の鉄道沿線情報サイトだ。どちらもすべて自分が実際に訪れたスポットを記事にしている。
記事を書くときには、たいてい「産みの苦しみ」がある。自分のブログ(つまりこのブログ)なら好きなことを書きたいように書けばいいけれど、公のWEBサイトの記事となるとそうはいかない。
自分のブログ以上に「正確な情報」には気を遣うし、文章の言い回しひとつとっても何度も修正を入れる。「にじねこMii」というライター名で書いてはいるけど、個人ブログとはまったくの別物なのだ。(鉄道沿線記事に関しては、ありがたいことに私個人のカラーをかなり前面に出させていただいてる感はあるけど(;'∀')。)
2年半前にライターを始めた時は、記事の書き方もまったく分からないままスタートしたので、原稿を書く際には文章ひとつひとつにいちいち立ち止まりながら記事を書いていた。そしてその結果、書くのにやたら時間ばかりかかるという状況が続いていたのだ。
だらだらとしてモチベーションも当然上がらない。書かないといけないのに書く気にならない。そして最後には窮地に追いこまれるというダメダメスパイラル。そもそも私は「効率的に」何かをやるのがとても苦手なのだ。
でもさすがにこれじゃマズイ!と痛感し、ここ最近は少しずつ意識してやり方を変えるようにしてきた。すると以前に比べてだいぶスムーズに進むようになり、書く時間も少し短縮できるようになった(気がする)。
他のライターさんが普段どうやって記事を書いているかなんて、なかなか知る機会はない。いつでも集中してスムーズに書き進められる人はいいとしても、どうやればモチベーションを維持しながら記事を書き続けられるかを模索している人も少なくないんじゃないだろうか?
今日は私の最近の記事の書き方について整理したいと思う。これはあくまでも自分自身のためのまとめという要素が強いし、まだまだ模索しながら記事を書いている最中ではある。でももし私と同じように、書くことについてモヤモヤしている人がいるなら、何かの参考にはなるのかもしれない。
取材から記事を書くまでの流れ
本題に入る前に、取材から原稿を書き上げるまでの流れをざっと挙げておきたい。各メディアによって内容は少し違うだろうから、あくまでもご参考までに。
1、お店やスポットの取材
まずはアポをとって取材に行き、何かを体験したり料理を食べたり、あるいはオーナーさんに話を伺ったりする。写真は全て自分で撮影。
2、記事の執筆
記事の原稿は全てPCで書く。
3、写真を選び、文中に挿入
必要に応じ、写真は加工して使用。
4、文章や記事全体のバランスを修正し仕上げる
5、必要に応じて取材相手にも記事の内容を確認してもらう
6、編集担当者へ連絡
私は個人的に取材が好きだし、いつも楽しみながらやらせてもらっている。なぜなら自分が知らなかったいろんな世界や価値観に触れられるからだ。でもそれをいざ文章にするとなると、とたんに産みの苦しみに変わる。自分が聞いたこと、体験したこと、伝えたいことをどう書くのか?「言葉」にするって難しいのだ。
先述したように、以前の私は原稿を書く時、ひとつひとつの文章で立ち止まっては時間を費やしていた。つまり最初から「ちゃんとした文章」を書こうとして行き詰まってしまい、なかなか先に進めないでいたのだ。
「これじゃ並行して他の記事を書くのはムリ!」と別のやり方を模索し、最近ようやく「これが自分には合ってるかも?」と思い始めたのが以下の方法である。
私が記事を書き進めるためにしている3つのこと
【1】一度ざっくりと全体を書き上げてみる
まず大事なのは「ざっくりとでいいから自分が伝えたいことをすべて書き出し、いったん大まかな記事として形を作ってみる」こと。
具体的には、取材してまだ記憶が新しいうちに、自分の印象に強く残っていることや、読み手にぜひ伝えたいことを書き出し、文章にしてみる。前後が支離滅裂でも、言い回しがおかしくても気にしない。(どうせその原稿は自分しか見ない。)とにかく頭に浮かんでくる言葉や文章を全て書き出し、ざっくりとでいいから一度記事として最後までの流れを書いてみる。あくまでも仮なので、タイトルや最後のまとめなども書ける範囲でOK。
以前は同時進行でいくつか取材したりすると、ひとつの記事に集中するあまり、別のものが手つかずで後回しになり、その結果どんどん書くのが先延ばしになるパターンが多かった。取材メモがあるから大丈夫、という安心感もあっただろう。
でも結局自分の頭の中での取材時の印象が薄れてしまうと、書こうという勢いもだんだん弱くなり、いくらメモがあっても書き進められなくなることもある。かといってボイスレコーダーで録音してそれを聞きなおすというのも、時間がとられるので基本的にはやりたくない。
やはり取材時の記憶ができるだけ鮮明なうちに、大まかにでもいったん文章として残すと、その後がスムーズでやりやすいし、時間短縮にもなるように感じる。
【2】書いた後はいったん時間をおく
ざっくりと書いたあとはいったん手放して時間をおく。そしてまたあらためて原稿に向かう。そうすると脳がリセットされているので、PCの前でさんざん考えてもまったく浮かんでこなかった言葉がスッと浮かんできたりするし、最初にひととおり記事の流れを作っているので、次に見た時に全体を見渡すことができるのだ。
また間をおくことで、何かの折~たとえばお風呂の中や台所に立っている時、布団に入った後など~に思いがけない表現や文章がふっと浮かんでくることも少なくない。
【3】自分をだましてその気にさせる
そうやって少しずつ記事の内容を整えていくわけだが、何度修正しても記事全体がバチッと決まらない場合がある。そんな時は仕上がりがだらだらと先延ばしになるだけなので、思い切って強引に形をつけてあげることにしている。
具体的には、記事の文章に合わせて写真を挿入すること。もちろんこれも原稿を書く中で必須の作業ではあるのだが、私の場合、通常は文章がほぼ完成したあとにやることが多い。でもそれをあえて中途半端な状態でもむりやり写真を入れてしまうのだ。そして「プレビュー」機能を使って、記事が公開された状態にシミュレーションしてみる。
するとまだ中途半端な文章にもかかわらず、写真が差し込まれたことで一気に「形になってきた感」が出てきて、「よし、もう少しがんばれば完成だ!」と私の脳が勘違いする。そうやってうまく自分をだましてモチベーションを上げ、勢いに乗って仕上げまで突っ走れたら作戦成功!
・・とまあ、最近はもっぱらそんなやり方です笑。
ひとつのやり方として参考にしてもらえるとうれしいです。
読んでいただきありがとうございます。
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