自由旅クリエイター/ライター にじねこMiiのブログ

なりゆきまかせの自由旅が好きなライター。元バックパッカーで今は2児の母。人生を今よりちょっとだけ楽しくしてくれるモノが好き。Web媒体で旅や地域の魅力を発信したり、取材記事を書いてます。お仕事も随時募集中♪

【東京】新橋「ビーフン東(あずま)」と義父

たまたま主人と休みが重なり、初詣がてら都内に出かけました。主人はホテルの料理人なので、忙しい年末年始は毎日ヘトヘトで帰ってきて、ようやく一週間ぶりの休みです。

 

東京・JR新橋駅から直結した新橋駅前ビル一号館の中にビーフン東(あずま)」というお店があります。創業60年以上の老舗。前から行きたいと思っていて、今回ようやくそれが叶いました。

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新橋駅前ビル、構えからしてちょっとノスタルジックな雰囲気。中に入ると一気に昭和にタイムスリップしました(^◇^;)。でもちょうど昼時ということもあり、どこもサラリーマンでいっぱい!「ビーフン東」もかなりの行列でした。

 

わりと庶民的な感じのお店ですが、どうやら皇室や文豪、政財界といったそうそうたる人たちの御用達のお店らしい。そして実は主人も私も、このお店のビーフンと中華ちまきには深い思い入れがあるのです。

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今はもう亡くなって10年以上経ちますが、たまに私たちが都内の主人の実家に遊びに行くときには、義父が必ずこのふたつを「ビーフン東」から買ってきてくれていて、いつもテーブルに用意してくれたものでした。主人にとっては小学生の頃から慣れ親しんだ味だったそうです。私も主人も、実家に行くときはこれを楽しみにしていました。

 

そして、今思い出しました。私はいつも主人の実家で、義父の熱燗におつきあいしてましたっけ。何しろ私は東北のオンナですので(笑)。(他の人はみんなビールやワイン党。)

 

義父はその時すでに大病を患っており、その後体調が悪くなってからは、私たちがビーフンとちまきを口にする機会もなくなりました。

 

結局義父はわが家の2人目の子が生まれてから間もなく他界しました。出産で山形に里帰りしていた私に、義父は一度だけ葉書をくれました。そこには一目で分かる特徴のある字で、出産を前にした私への労りの言葉が綴られており、最後はこう締めくくられていました。

 

「朗報待鶴首」

 

おそらくは体調的にかなり辛い日々を送っていたでしょうに。心残りは生まれた娘の顔を最後に見せてあげられなかったこと。

 

今日約10年ぶりに食べたビーフンとちまきの味は、懐かしさとともに切ない思い出を私に運んできました。

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